2022箱根駅伝・勝利を目指した戦いの結果は?

スポーツ

例年のように1月2日午前8時、号砲とともに第98回箱根駅伝がスタートしました。

2022年の新年は新型コロナの新種・オミクロン株への不安はあるものの、昨秋から感染者数が激減したことで昨年よりも穏やかな雰囲気の中で迎えることができたといっていいでしょう。

そのため昨年と違って、大手町のスタート地点では多くの箱根ファンが集まっていました。

主催者の関東学生陸上競技連盟は昨年に引き続き、「応援したいから、応援に行かない」のキャッチフレーズで、沿道での応援の自粛と自宅観戦を要請したのですが、人出は去年より増え、場所によっては例年なみに戻ったようにも見えます。

ただ、ほとんどの観戦者はマスクをしていて、声かけよりも拍手による応援が主体で、皆さん各自で感染に気をつけて応援していたようです。

戸外ですし、正直、沿道での応援の無い箱根駅伝はさびしいものですから、個人的にはやむを得ないのかなと思いました。

さて2022大会も多くの感動のドラマを生み箱根ファンを十分に楽しませるレース展開となりました。

そんな、新春恒例の国民的イベント、2022箱根駅伝についてまとめてみました。

 2022大会の結果は?青学、圧倒的な勝利!

2022大会は、一言で言えば青山学院の圧倒的勝利で終わった大会でした。

戦前の予想では昨年13年ぶり7回目の総合優勝して、さらに秋の全日本大学駅伝を制した駒澤大学が優勝候補の筆頭としつつも最強の留学生・イエゴン・ビンセントを擁し出雲駅伝に勝利した東京国際大、昨年の箱根で4位、出雲・全日本とも2位で安定的な力をもつ青山学院の争いとみられていました。

しかし、青学は3区でトップに立つと4、5区で差を広げながら、2位帝京大と2分37秒差で往路の芦ノ湖ゴールのテープを切ります。

復路も青学の勢いは衰えず、大手町まで一度も首位を譲ることなく、96回大会の青学自身が作った大会記録を1分41秒上回る大会新の記録でゴールでしたのです。

解説者の瀬古氏も「他の大学が束になっても勝てないのではないか」と驚嘆するほど2位以下の大学を圧倒した走りでした。

2位は往路5位から巻き返した順天堂大で6区、8区を区間賞の走りで青学を追い、2007年の優勝以来15年ぶりのトップ3入りとなりました。

3位には優勝候補の筆頭、駒澤大学が意地を見せ、2区でエース田澤が期待通りの区間賞の走りをみせたものの、3区、4区、8区などで力を出せず2連覇の夢は実現しませんでした。

以降、4位・東洋大、5位・東京国際大、6位・中央大と続き、総合順位は次のようになりました。

(括弧内は前年順位)

  1. 青山学院大学(4位)
  2. 順天堂大学(7位)
  3. 駒澤大学(1位)
  4. 東洋大学(3位)
  5. 東京国際大学(10位)
  6. 中央大学(12位)
  7. 創価大学(2位)
  8. 国学院大学(9位)
  9. 帝京大学(8位)
  10. 法政大学(17位)

中央大、法政大が新たにシードを確保、前年5位の東海大学は11位、6位の早稲田大学は13位と振るわずシード権を失いました。

往路のレース展開

第1区

大手町を午前8時に21チームが一斉にスタート、天気は曇りで、気温は3度でした。

前回大会では超スローペースで、横一線に選手が並ぶという珍しい走形が中盤まで続きましたが、今回は出発するとすぐに選手団が縦長を形成します。

中大の2年生、吉居がスタート直後からハイペースで集団を引っ張ったからです。

吉居は5キロすぎにさらにペースを上げて2位以下を引き離しにかかり、しんがりの中央学院は早くも集団から脱落します。

10キロでは27分台のとてつもない記録の予感で、第2集団の先頭を形成する東海、青山、駒澤、帝京などは吉居についていけず、集団の中で牽制しあい、2位の順位が頻繁に入れ替わります。

19キロの六郷橋を越えると、第2集団は駒澤、青山、東海、国学院、専修となり、他はさらに後方にばらついていきます。

中大・吉居は20キロ付近で手を腰に当てますが驚異的なペースを維持、独走のまま鶴見中継所にゴール、39秒差で駒澤、東海、専修、青山と続きます。

吉居は従来記録を15年ぶりに26秒更新するという快挙で、先日亡くなった中大OBで長くテレビで解説をしていた名ランナー碓井さんも喜んでいるのではと解説の瀬古氏、実況の早稲田OB渡辺氏も世界で戦える選手になれるとそのスピードを賞賛しました。

レース後、吉居は「皆のペースが遅かったので自分がペース作ったら皆がついてくると思ったがついてこなかった。しかし行くしかないと思いました。自分のペースで記録が出せたのは自信となりました」と振り返ります。

吉居選手は金栗杯(最優秀選手賞)を受賞しました。

第2区

東京国際大・ヴィンセント、創価大・ムルワなど留学生や、駒澤・田沢、順天堂・三浦、青学・近藤などエース級が走る激戦の2区です。

2位駒澤・田澤が出発した時点で、首位の中央大・手島との差は約120mでした。

学生最強といわれる田澤は当初はリラックスしたような抑えた走りでしたが、7キロ付近になるとスピードを上げ、あっという間に中央・手島を捉えます。

7位で襷を渡された東京国際大・ヴィンセントも爆走し4キロ付近で4人抜きをし3位に急浮上します。

10キロ付近でも駒澤・田澤は実力通りのハイペースでスピードは衰えず区間新の可能性も出てきました。

11キロ過ぎ、すでに東海・専修に追い抜いていた青学のエース・近藤は中央の手島を捉え2位に上がります。

14キロ付近の権太坂にかかると、3位の中央・手島を東京国際・ヴィンセントと国士舘のライモイ・ヴィンセントが追い抜きますが、東国・ヴィンセントは5キロ過ぎからの左足の痛みの影響が出て昨年の区間新を出した時の精彩を欠きました。

15キロでさすがの田澤も疲れた表情を見せると、大八木監督がすかさず激励の声が入ります。

2位、青学・近藤もペースを落とさず49秒差で田澤を追います。

21キロの最期の上り坂は記憶を失うほどきついと解説の渡辺氏。レース後、青学・近藤も歩こうかと思ったと述懐します。

結局、駒澤・田澤は区間新を逃しましたが歴代4位の好成績で戸塚中継所に飛び込み、駒澤の2区での区間賞は大八木監督以来でした。

2位はエース近藤が実力どおりに快走した青学、3位はライモイ・ヴィンセントが8人抜きで国士舘が急浮上し、4位東京国際、5位帝京の順でしたが、中央は手島が振るわず11位に沈みました。

東京五輪の3000m障害で7位入賞した順天堂・三浦は区間11位と不本意な成績に終わり、チームの順位は17位でした。

第3区

東京国際の日本人エース・丹所は4位で襷を受けると快調に飛ばし、すぐに3位の国士舘・荻原を追い抜き、4キロ付近では青学・太田をも追いつき2位に浮上します。

丹所は出雲3区で日本人トップ、全日本6区で区間新の実力者で、3区の近くに出身高校があるため気合いは充分でした。

3区で日本人最高記録を持ち1年から4年連続で3区を走る帝京の遠藤も快調な走りを見せます。

一方駒澤・安原は箱根が初めての1年生で、安定した走りをみせていましたが8キロ付近になると実力者の東京国際・丹所、そして青山・太田がひたひた近づいてきます。

11キロあたりで浜須賀の海岸通りに入りますが、今日は横風の影響はない模様です。

13キロ付近で駒澤、東京国際、青山の3者が並びますが、やがて駒澤・安原は遅れていきます。

18キロの湘南大橋を過ぎたところで、青学・太田が満を持してスパート、トップに立つと東京国際・丹所は遅れます。

ミスター湘南、帝京の遠藤も駒澤・安原を抜き3位に上がり、また順大・伊豫田は7人抜きの力走を見せ10位浮上します。

平塚中継所では青山・太田、東京国際・丹所、帝京・遠藤の順で襷を後続に委ね、区間賞は丹所が獲得しました。

4位は国学院、駒澤の安原は区間16位のブレーキとなり5位、6位は8位から順位を上げた東洋が入り、7位は中大の4年、三浦が力走し11位より順位を押し上げました。

 第4区

青学の主将、飯田は2位の東京国際に12秒差をつけスタートします。

秋の全日本、最終区でトップの駒大にわずか8秒差で惜敗、奇しくもその相手である駒大・花尾と同じ区間を走る事になりました。

11位で襷を受け取った創価大学のエースの嶋津は、前回と同じ第4区で巻き返しを狙います。

嶋津は目にハンディがあるものの、2020大会では10区で区間新、2021大会では4区を区間2位で力走し創価大の往路優勝に貢献しました。

一方、初出場の駿河台大学・今井は18位でスタート、中学教師を休職して箱根に挑む31歳、かつての教え子が待つ小田原中継所を目指します。

5キロ地点で4位に位置する国学院の中西が帝京・寺嶌に追いつき3位に上がります。中西(大翔/たいが)は15キロ地点で双子の兄・中西唯翔(ゆいと)から給水を受けると、兄に左親指をたて走りを加速させます。

創価・嶋津は予想以上の爆走を見せ、4人抜きで、5.5キロ付近で7位に浮上、さらに19キロ手前でさらに3人を抜き4位の帝京と入れ替わります。

トップを走る青学・飯田は調子を上げ、2位東京国際・堀端との徐々に差を広げ、9キロ地点では1分以上、15キロ過ぎでは1分23秒差となります。

結局、飯田はトップを明け渡すことなく、2位と1分37秒差で5区の若林に襷を渡し、2位は東京国際、3位は国学院、4位は帝京・中西がデッドヒートで創価・嶋津をかわし、5位は創価、6位は駒大という順で5区にリレーしました。

区間賞は今回も快走した創価大・嶋津が獲得し2020年の10区に続き2度目の受賞となりました。

 駿河台・今井は順位を20位まで落としますが、教え子の永井に襷をつなげることができ、号泣のゴールインでした。

第5区

標高874mの山上りが待ち、多くの伝説が生まれた最難関コースです。

芦ノ湯付近では朝の気温はマイナス0.5度でうっすら雪も積り、ランナーが走る昼ごろには気温は上昇するものの強い風のため体感温度は厳しい状況でした。

トップの青学の1年生、若林は2位の東京国際・倉掛に1分37秒差をつけてスタートしますが、序盤はすこし抑えた走りです。

4キロ付近で3位の国学院・殿地が、2位東京国際の倉掛に追いつきます。

9キロ付近で青学・若林はピッチを上げます。

青学・若林

青学・若林

4位で襷を受けた帝京・細谷が怒濤の追い上げを見せ、国学院、東京国際をかわし11キロ地点で2位へ浮上します。

青山・若林はさらにスピードを上げ、区間賞ペースの走りにギアチェンジ、首位は揺るぎません。

13キロ付近で、6位スタートの駒澤・金子がペースを落とした国学院・殿地をかわし3位まで挽回します。

東洋大のエースで5区の区間記録をもつ宮下は12位で襷を受け挽回を図りますが、足が重く思うような走りができず区間8位で9位まで順位を上げるのが限界でした。

結局、青学・若林は独走を続け、芦ノ湖ゴールのテープを切り、青山学院は2年ぶり6回目の往路優勝を果たしました。

2分37秒差の2位は帝京大で細谷は昨年に続き2年連続で5区の区間賞を獲得、母校を過去最高の往路2位に押し上げます。

3位には駒大・金子、4位は国学院で、殿地は後半に低血糖症で足が思うように動かず順位を落としました。

17位で襷を受けた東海・吉田が快走し、区間2位で順位を10位まで上げる健闘を見せました。

往路の順位は次のとおりです。(括弧内は前年順位・11位以下略)

  1. 青山学院大学(12位)
  2. 帝京大学(4位)
  3. 駒澤大学(3位)
  4. 国学院大学(9位)
  5. 順天堂大学(7位)
  6. 中央大学(19位)
  7. 東京国際大学(6位)
  8. 創価大学(1位)
  9. 東洋大学(2位)
  10. 東海大学(5位)

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復路のレース展開

第6区

芦ノ湖から小田原まで874mを一気に下る6区は翌3日の8時にスタート、朝は霜が降りましたが、路面は滑るほどではない状況で、2年連続で6区を任された青山・高橋は軽快に出発しました。

芦ノ湖

芦ノ湖

2位、帝京・北野は2分37秒差、3位、駒澤・佃はトップから3分43秒差で青学を追います。

青学・高橋が出発して10分以上タイム差がある17位の日体大から21位の駿河台大までの5校は一斉スタートしました。

青学・高橋は路面を気にしているのか、慎重な走りでペースは上がりません。

14キロ付近で駒澤・佃が帝京・北野に追いつき、青学との差も詰めます。

16キロ付近で、5位、順大・牧瀬が駒澤、帝京、国学院に追いつき2位に浮上、駒澤・佃、帝京・北野も必死でついていきます。

駒大・大八木監督のハッパが入り、18キロ付近で佃が再度2位に上がります。

帝京・北野はついて行けず遅れていきます。

青学・高橋は駒澤・佃に若干詰められるもトップをキープし、小田原中継所で岸本に襷リレー、「本来、もっと差を広げなければならなかったが」と悔しがりましたが2位との差は広がりました。

2位は駒澤・佃、3位は31年ぶりの6区での区間賞を獲得した順大・牧瀬、4位、帝京・北野と続きました。

牧瀬はレース後「キャプテンとして、チームの勢いをつけることができた」と満足そうに話しました。

特筆すべきは初出場の駿河台・小泉が区間3位というチーム唯一の区間一桁の力走を見せ、チームの初出場とともに同大の歴史を作りました。

第7区

首位で襷を渡された青学・岸本は、2020大会の2区で6人抜きの爆走で注目されたものの、昨年は左足の疲労骨折で欠場、この大会に賭ける強い思いで力走します。

10キロ付近で順大・西澤が駒澤・白鳥を抜き2位に浮上します。

シード権争いの10位、11位は法政・中園と東洋・梅崎が並走して争いますが、終盤、東洋・梅崎がペースを上げ10位を確保、さらに6位の国学院は期待の主将・木付が振るわず、10位に転落し東洋は9位に上がります。

青学・岸本は安定した走りを続け、さらに2位との差を4分51秒まで広げ、難なく8区に襷リレーします。

2位、駒澤・白鳥は大八木監督より「ここで男を見せろ」とはっぱをかけられますがその差を縮める事ができませんでした。

岸本は1ヶ月前も仙骨骨折していたのですが怪我を感じさせない圧巻の走りを見せて歴代5位で区間賞を獲得し、レース後のインタビューで治療をしてくれたトレーナーに感謝しました。

第8区

青山の8区・佐藤は一昨年の全日本5区で区間新、昨年の全日本5区でも区間賞の実力者で、スタートからハイペースで力走します。

2位で襷を受けた駒大・鈴木芽吹は2区を走った田澤に続く駒大のエースで、昨年5月の1万メートル日本選手権3位の実績を持ち、3位の順大・津田と争いながら、青学・佐藤を追いました。

しかし、12キロ過ぎで津田がスパートすると鈴木はついて行けず突き放されます。

9キロ過ぎで、6位の東京国際・村松が帝京・橋本を抜き、さらに創価もかわして4位に浮上します。

7位でスタートした中大・中澤は快調な走りを見せ11キロ付近で帝京・橋本に追いつき6位に上がります。

小学生の時から網膜剥離症を患い、常にサングラスをかけて走る中澤は、15キロ過ぎの遊行寺坂付近で、先を行く学法石川高の後輩である創価大1年・吉田に並ぶと「一緒に行くぞ」と叫んで吉田を励まし、自らも走りを加速させ3位まで浮上します。

創価・吉田も中澤の励ましに奮起し、区間8位と健闘しチームの5位をキープして箱根デビューを飾りました。

青学・佐藤は15キロ過ぎになると疲れが見え、太ももやお尻をたたく仕草を見せますが、「勝つことだけを考えて青学に入った」と言うだけに粘り強い走りで2位順大・津田に4分32秒の差をつけ戸塚中継所に飛び込みました。

3位は中大、4位は東京国際、5位に創価、期待の駒大・鈴木は終盤に失速し、ふらふらと歩くようにしてなんとか6位で襷をつなぎましたが駒大2連覇は絶望的になりました。

区間賞は順大・津田が獲得、昨年の5区で区間13位の雪辱を果たし、青学・佐藤が区間2位、中大・中澤は3位と健闘しました。

一方、18位の日体大・久嶋は必死のスパートにもかかわらず、トップの青学が戸塚中継所をスタートして20分後の到着となり、わずか7秒差で襷がつながらず、後続の9区・大内は今大会初の繰り上げスタートとなりました。

第9区

9区は2区と同様に距離が長く各大学のエース級が配置されます。

青学の9区・中村は一昨年の全日本では3区で8人を抜きし注目されたものの、昨年の箱根では2区で区間14位、11月の全日本の2区では6人に抜かれ区間14位で結果を出せませんでした。

中村は今度ばかりは失敗は許されないという緊張でスタートを待っていましたが、8区を走った佐藤に襷とともに「楽しいですよ」と声をかけられ緊張もほぐれて快調に走り出します。

2位の順大は3年野村が青学を追いますが調子は上がらず2位はキープするものの青学・中村との差は広がります。

順大を追い、東京国際、中央、創価が第3位グループを形成し、互いに牽制しあい走りますが6キロ過ぎに創価・中武が遅れていきます。

8キロ付近の権田坂ではトップの青山・中村と2位の順大・野村との差は50秒近く拡大します。

10キロ付近で駒大・山野が快調に飛ばし、創価・中武を抜き5位に上がります。

14キロ付近で中大・湯浅がスパートし、東京国際・宗像を離し3位を確保、駒澤・山野も創価・中武を抜き5位位に浮上します。

10位で襷を受けた国学院の1年平林は爆走、17キロ付近で帝京、創価、東海を、19キロで東洋を、さらに東京国際を次々と抜いてチームを5位まで引き上げます。

平林は区間2位でリレーし1年生としては9区の最高記録となりました。

青山・中村は14年ぶりとなる区間新を記録し、2位順大との差を7分56秒と広げ鶴見中継所でアンカー・中倉に勝利を委ねます。

中村は中央大・吉居とともに金栗杯(最高優秀選手賞)を受賞し「前回、2区で区間14位となり悔しい思いをしたが借りを返せて楽しく走れた」と語りました。

2位は順大、3位は中央大、4位・駒澤、5位・国学院の順となりました。

シード権は、8位・東海、9位・創価、10位・帝京、さらに27秒差で11位・法政、さらに12位・早稲田が最終区で争う形となりました。

第10区

2021大会の最終区ではゴール直前で大逆転劇が起こりましたが、今回は青山学院が往路4区でトップに立って以降、盤石の走りを見せていて興味はシード権争いに移った感がありました。

青学の中倉は2年連続でアンカーを任され、昨年の悔しい4位のゴールを跳ね返すように序盤から飛ばします。

一方、山梨学院・篠原と日体大・佐藤は襷がつながらず、繰り上げスタートとなりました。

13Kmの新八ツ山橋付近で、青学・中倉は区間記録を16秒早く通過し、2位順大・近藤との差をさらに広げます。

17キロ地点で駒澤・青柿が中央・井上に追いつき並走しますが18キロ付近で井上を引き離して3位を確保します。

7位で襷を受けた東洋・清野は元日に死去した祖父への思いを胸に、区間2位の力走を見せ、20キロを過ぎた時点で中央・井上をかわし4位に浮上します。

青山・中倉はゴールまでペースを落とすことなく大手町のビクトリーロードを快走、区間記録を50秒も更新してゴールで待つチームメンバーに笑顔でガッツポーズを見せテープカットしました。

チームとしては10時間43分42秒で総合記録、復路記録を更新し、他大学を寄せつけず2年ぶり6回目の総合優勝を飾りました。

2位には15年ぶりに3位以内に入った順天堂大学、3位は連覇を逃した駒澤大、4位・東洋大、5位は東京国際大、6位の中央大は10年ぶりにシード権を確保しました。

シード権争いでは、8位で襷を受けた東海・吉富は終盤に低血糖症に陥り、20キロ付近までに創価、帝京に抜かれ、シード権ぎりぎりの10位に落ちます。

ゴールまで1キロを切った22キロ付近でも吉富は踏ん張れず、シード確保のため必死の形相の11位の法政・川上に抜かれます。

川上はゴール直前、かつて国学院の寺田選手が間違えて曲がろうとした通称「寺田交差点」を同じように右に曲がろうとし、見守るファンも肝を冷やしますがすぐに気づいてコースに戻り10位で3年ぶりのシード権内に滑り込みました。

わずか3年前の2019年に総合優勝した東海大はシード権を失うことになりました。

復路の順位は次の通りです。(括弧は前年順位・11位以下略)

  1. 青山学院大学(1位)
  2. 東洋大学(9位)
  3. 明治大学(7位)
  4. 東京国際大学(12位)
  5. 順天堂大学(8位)
  6. 創価大学(5位)
  7. 法政大学(17位)
  8. 中央大学(3位)
  9. 駒澤大学(2位)
  10. 東海大学(10位)  ⇒次のページに続きます。             

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