箱根駅伝2024・新時代幕開けの戦い、その結果は?

スポーツ

各区のレース展開

第1区

午前8時の号砲とともに23チームが一斉スタート。天気は曇り、気温は5度、ほぼ無風。

0.6キロ付近で駿河台大のケニアからの留学生レマイヤンが飛び出し、1キロ付近で東京農大・高槻、中央大・溜池、駒大・篠原など2位グループより4~5m前を走る。2キロで集団は縦長に形成される。

3キロ、レマイヤンノの走りは区間記録より速いペース。5キロ付近で駿河台、駒大、国学院、青学の4校の先頭集団と中大・溜池が先頭の後続集団が離れていく。国学院・伊地知は暮れに感染したインフルエンザから回復したばかりだか先頭集団に必死について行く。レマイヤンの足が篠原に当たったのか。

7キロ付近、トップ4人は横に広がり牽制しあう。8キロ、レマイヤンは蛇行して篠原と激しい駆け引き。 やがて1、2位の駿河台、駒大と3、4位の国学院、青学との差が開く。

9キロ、青学・荒巻、国学院・伊地知は遅れる。トップ争いは13キロ付近で篠原が前に出たがレマイヤンはピタリとついていく。3位争いで青山・荒巻が前に出で一方の国学院・伊地知は苦しそう。

18キロ、六郷橋で駒大・篠原がスパート。レマイヤンついて行けず。青学・荒巻、国学院・伊地知は後退し後方集団に吸収される。集団後方の大東大・西川が他選手に接触し転倒するもすぐに立ち上がり走り出す。青学・原監督は荒巻に「いいぞ。大丈夫だ」と励ます。

20キロ、篠原はトップを守り、レマイヤンは疲れ、創価・桑田、城西・野村、日大・西村、東海・兵藤に追い抜かれる。

鶴見中継所、駒澤・篠原はエース鈴木に23秒差の余裕でリレー、2位は創価、3位城西、4位日大。優勝候補の一角、青山は9位、国学院は17位、中大19位と振わない。

区間賞は歴代2位の駒澤・篠原。「自分のペースで走ったが二番は意味が無く一番をとりたかった」と悔しがったが駒澤は連覇に向け順調なスタートとなった。

第2区

花の2区。9区と並ぶ最長距離のため各大学がエース級を当てる最重要区間。20mの上りの権太坂が勝負のポイント。

トップで襷を受けた駒大ランナー鈴木芽吹は順調な走り出し。藤田新監督から助けてくれといわれキャプテンを引き受けた。5キロ付近の沿道に待っていた大八木前監督が檄も飛ばす。

1.8キロ付近、2、3位のケニア留学生の日大・キップケイメイ、創価・ムチー二が並走。4位は城西・斉藤。8位で走り出した青山・黒田が爆走し5キロ付近で5位浮上。黒田は出雲で区間賞、全日本で区間2位の実力者。

10キロ、駒大・鈴木快調、監督の指示に手を上げて応える。4位城西・斉藤は後方集団に飲み込まれ、青学・黒田が4位に浮上。12キロ、中央・吉居は明治を抜き17位に。この夏コロナにかかり調整が遅れたという吉居、今後どれだけ挽回できるのか。

13キロ、権太坂の登り口で日大・キップケイメイが落ち、2位創価、青学が3位、4位に城西。

15キロ、駒大・鈴木依然快調で2位と43秒差に広げる。

20キロ付近、国学院の平林も激走しトータル8人抜きで9位に浮上。東洋・梅崎も力走し15位から7位に急上昇を果たす。

20.5キロ 青学・黒田が創価・ムチー二をかわし2位へあがり、さらに駒大・鈴木の背後に迫る。原監督「よし見えてきたぞ」と檄を飛ばす。

戸塚中継所、駒大・鈴木疲れたか、苦しい表情ながらトップで中継所に飛び込む。2位青山と22秒差に縮まる。3位は創価46秒差、4位早稲田、5位城西

区間賞は9位から2位まであげた青学・黒田。「少しでも順位を上げようと思っていた。記録は狙っていなかった」と話した。

第3区

前半は街なかを緩やかに時に急激に下り、後半は湘南の海岸縁を高速に進む平たんコース。

まずスタートした駒大・佐藤は出雲、全日本で区間賞、1万メートルU20の日本記録を持つ学生NO1の実力者。2位青山・太田も箱根で2回、区間2位の実績を持ち駅伝男と監督に呼ばれている。

1.5キロで城西の留学生キムタイが4位に浮上。

3キロ、青学・太田がとばし駒澤を追う。5.9キロ地点では30mまで詰める。太田は障害者の兄の分までという気持ちを胸に走る。駒大・佐藤は調子が上がらない様子。

7.5キロ、太田が佐藤の背後にピタリと付き並走が続く。

14キロ、茅ヶ崎地点で太田スパートしついにトップ交替。佐藤は一旦5m遅れるが15キロで追い上げ、両者並走に戻る。3位の国学・青木、城西・キムタイも並走。5位集団に東洋、日大、創価。すこし雨が降ってきたが日差しが弱くなり走りやすい状況。優勝を狙った中央は17位で低迷し苦しい状況。

18キロ、青学・太田サングラスを取り再スパート。たちまち6、7m開く。佐藤はあごが上がった。太田はスイッチが入ったか。19.7キロ、3位城西、4位国学院は5位グループ日大、早稲田、東洋に吸収か。

14位帝京・柴戸が5人抜きし9位に浮上。

20キロ、青山原監督、「そうそう動いている。最終最期の走りだぞ」と檄。駒大・佐藤も懸命に追い上げ、つまずいたが影響はない。

平塚中継所に、駒大を追い落とした青学・太田がトップで飛び込む。佐藤も必死な走りを見せ4秒差でタスキリレー。3位城西・キムタイ、4位日大・安藤、5位東洋・小林、6位国学院・青木が順次に次走者につなげる。

区間賞は日本人選手歴代最速で走った青学・太田。「前半に追いついて湘南海岸はついて行くこうと思った。しかし12キロからきつくなった。一位で走る景色は美しかった。1時間切りは狙っていた」

 第4区

雨が強くなってきて沿道には傘が多く開きだした。気温も低下して手がかじかむ感じとなっている。富士の姿も見えない。

3.7キロ、青学・佐藤と駒澤・山川の差が開く。佐藤はインフルとなり十分な練習ができなかったが走り出しから快調。山川は全日本で区間賞の走りをしたが1万メートルの記録では佐藤に及ばない。本来5区山登りへの起用が予定されていたが股関節を痛め金子と交代した。

9キロ・二宮付近、佐藤は快走を続け、駒大・山川とは41秒差に開く。3位城西・山中、4位東洋・松山、国学院・辻原、日大・久保は遅れ7位に下がる。

13キロ、駒大・山川は2~3度脇腹をおさえた。差し込みか。3位の城西・中山は快調、しかし後続の東洋・松山、国学院・辻原が並走しながら迫っている。

15キロ、酒匂橋、青学・佐藤、前走者太田に影響されたのか依然快調な走り。一方駒大・山川はやはり調子が上がらず1分以上開く。18位を走る中央学院・黒岩に箱根を走る夢が叶わなかった父が給水。

20キロ、原監督「往路優勝目指すぞ。いけるよ」と激励。駒大・藤田監督も「あきらめるな。気持ちで走れ。この1秒が大事だ」と檄を飛ばす。

小田原中継所、青学・佐藤が区間賞の走りでトップリレー。2位の駒大・山川は1分29秒に遅れを拡大させタスキ渡し。3位城西、4位東洋、5位国学院

佐藤は「12月に入り体調を崩し心が折れたが仲間が背を押してくれて目標を達成できほっとしている。最期のレースなので全力で走れた」と語った。青学は2、3、4区と連続区間賞を獲得し予想外の状況。

第5区

標高874mの過酷な山上りがランナーを待ち受け、多くの猛者達が挑戦してきた最難関区間。16.3キロで最高地点に到達すると芦ノ湖のゴールまで坂道が続く。さらにこの20年一番の強い雨という悪天候となった。

1位の青学・若林は前々回は5区をトップで走ったものの前回は直前に体調不良で走れずリベンジを誓う。3.5キロの函嶺洞門、2位の駒大・副主将の金子は5秒縮めるが7キロの大平台では逆に6秒開く。藤田監督は金子に「お前の走りはできている。絶対あきらめないからな」と檄。しかし12キロの小涌園前ではさらに20秒広がる。

3位城西は前回5区区間新記録を打ち出した山本。山の妖精の異名がつけられている。山本は期待通り区間トップの快調な走り、しかも自分の記録を上回るペースで当初より30秒以上差を縮める。4位東洋・緒方、5位に早稲田・工藤、6位は国学院・上原、7位創価・吉田

13キロ、雨が小降りになり空が明るくなった。大東大・菊池が激走しトータル6人抜きで8位まで浮上。

14キロ、青学・若林は安定的な走り。15.6キロ、芦之湯、青学と駒大は2分9秒差に開く。城西・山本も追い上げ、駒大を50秒差の射程距離に。今井氏の記録より上回っている。

19キロ、雨が上がり青学・若林は快走、原監督「ゴー、ゴー」と最期の檄。

芦ノ湖ゴール、青学・若林がトップでゴール。若林の記録は区間新、ただ直後に城西・山本に塗り替えられた。青学は2年ぶりの往路優勝。5時間18分13秒で自らの大会記録を更新した。2位は駒澤・金子、トップと2分38秒差。3位は自身の区間記録を50秒も更新した城西・山本。大学としても最高の3位。4位東洋、5位早稲田、大東大は14位から8位に躍進。

城西・山本は「区間賞、区間記録を目指して1年間練習してきたので達成できて良かった。いい順位でタスキをもらったのでがんばろうと思った」と2年連続の区間賞を満足そうに話した。

往路の順位は次のとおり。(括弧内は前年順位・11位以下略)

 ①青山学院大学(3位)

 ②駒澤大学(1位)

 ③城西大学(9位)

 ④東洋大学(11位)

 ⑤早稲田大学(5位)

 ⑥国学院大学(4位)

 ⑦創価大学(10位)

 ⑧大東文化大学(17位)

 ⑨法政大学(8位)

 ⑩順天堂大学(6位)

往路優勝の青学・原監督はまず能登地震の中で開催していただいたことに感謝したあと3区間の区間賞と往路新記録に「学生達がまったく想定外の頑張りを見せてくれた、駒大1強といわれた今シーズン、しかし”負けてたまるか大作戦”と作戦名を付け優勝をあきらめない姿勢を選手達に示して鼓舞し、選手達も応えてくれた」と話し「青学は復路に強い。明日も青学の走りをして総合優勝を目指す」と自信を示しました。

中央・藤原監督は「3区は想定より相手が強かった。4区は痛みが出てしまったがよく走った方だ。5区はよく走ってくれたので復路でもこの流れをつなげ6区で巻き返しを図り、後半で勝負し逆転優勝を狙う」とあきらめない姿勢を強調した。

 第6区

この日は湖面に霧がかかる芦ノ湖。上空は青空が広がり富士山もくっきりと姿を見せている。気温は4度で微風の追い風。

6区は芦ノ湖をスタートし序盤の急な坂を経て5キロ過ぎから小田原まで874mを一気に下るが急カーブではスピードコントロールが求められる難コース。

トップの青学のランナー野村は2位の駒大に2分38秒の差をつけて走り出す。駒大・帰山は前回6区区間賞の伊藤がインフル感染で調整不足のため急遽起用された。その後、城西・久保出、東洋・西村が出走。野村、帰山、久保出ともに初めての箱根。久保出は震災が襲った石川県出身で大学の同好会で走っていたが2年の4月に入部を許された。地元への思いを胸に走る。

8位以降の16チームはトップから10分遅れのため一斉スタート。史上最多タイの一斉スタートとなった。7位の創価もすぐに集団に吸収される。

5キロ、青大・野村は快調な走り、区間記録より16秒遅れ程度。駒大との差を広げる。城西・久保出は駒大との差を縮める。9キロの小涌園前、野村快調、城西は前を詰める、国学院は5位に浮上。

10キロ、ヘアピンカーブ。原監督「いけるぞ」と声をかける。駒大・帰山は調子が上がらず区間16位のスピードで青山との差が広がる。

14キロ、9位法政・武田が爆走し早稲田を捉え5位浮上。武田は22年区間2位、23年区間5位の実力者。

16キロ、野村は余裕がある表情の山下り。

17キロ、箱根湯本、野村は依然快調。昨年体調不良で走れなかった悔しさを胸に1年がんばってきた。原監督「兄貴を超えろ」と東洋大で区間賞をとった兄を持ち出し激励する。

駒大・帰山との差はさらに広がる。逆に城西が迫りつつある。藤田監督は帰山に「4年生に1秒でも縮めて渡せ。絞り出すぞ。あきらめるな」と活を入れる。

18キロ、法政・武田は前を走る国学院を捉える。武田は坪田監督から夏に急逝した後輩の(高橋)彰太の分まで走れという檄が飛ぶと気合いを入れ直す。

小田原中継所、青山・野村が駒大・帰山とさらに1分39秒差を開いて到着。駒大・帰山は倒れるようにリレーしたが駒大は6区で反撃できず連覇の夢は難しくなる。3位城西、4位東洋、法政が9位から7位に上げ武田が区間賞。法政の6区区間賞は77年ぶりの快挙となった。「一斉スタートだったので難しいところもあったが集団を利用して自分のペースを守ることができた。100点満点の走りだった」と笑顔。

第7区

前半は緩やかな下りから平たんとなり後半は細かいアップダウンとなるコース。日差しが差し込んできて気温の上昇が予想される。

トップで飛び出した青学・山内は軽快に飛び出す。駒大は前回も7区を走った安原。6区で差を詰めるどころか1分39秒拡大されており、なんとか王者のプライドを見せたい駒大は必死で青学を追う。

10キロ、山内は同期の佐々木より給水を受ける。初めての箱根だが冷静な表情の走り。安原は弟から水をもらう。母は女手ひとつで兄弟を育ててくれた。10位の中央・吉居駿恭は順位を上げるべく激走する。11キロ付近で脇腹を押さえるが15キロ付近で往路を走った兄吉居大和から給水され元気を取り戻し手を挙げて応える。

18キロ付近、順調に走っていた城西・林は突如右足がつり立ち止まる。観衆は心配して見守ったが、ふくらはぎをほぐすと再び走り始めた。

19キロ、力走する中央・吉居に藤原監督「区間記録になるぞ」と最後の檄。

残り400メートル、上り坂で青学・山内は疲れたようであごが上がり少し蛇行ぎみ。しかしサングラスをあげスパートする。

平塚中継所、青学・山内がそのままタスキ渡し。2位駒大との差はさらに27秒広がった。トータル4分44秒差でレースの興味は優勝よりシード権争いに移った感がある。3位は城西、4位は東洋、5位は創価。

区間賞は歴代4位の中大・吉居。「順位を上げるために最初から突っ込んだ。脇腹が痛くなったが兄から水をもらい区間賞が取れるぞといわれて頑張れた」

第8区

海岸沿いの平たんな道から14キロ付近で上り坂が始まり、16キロ付近の遊行寺坂の上りから19キロまででかなりのエネルギーを必要とする区間。

青山・塩出は初めての箱根。監督と同じ世羅高校出身。はじめからハイスピードのため原監督「遊行寺坂に備えろよ」と声をかける。駒大・赤星は2年連続の8区。藤田監督「後半に勝負をかけるぞ」と指示。

10キロ、塩出は区間記録より10秒早い走り。赤星との差が開く。4位東洋の村上も快調。北海道の雪深い町・遠軽町からやって来た。中大の阿部が苦しい表情を浮かべてペースが落ちてきた。チーム全体がインフルエンザに感染した中大だが阿部は元日に発熱している。

13キロ、3位城西・小田は快調な走り。11位の帝京が中大を詰めてきてシード権争いが混沌としてきた。

15.3キロ、青学・塩出は区間新より17秒速い走りで遊行寺の上りに入るが余裕のある表情。平地から上りの切り替えがうまくいっている模様。駒大・赤星が上りに入ると藤田監督「あきらめないぞ」と檄。しかし赤星は苦しい表情で青学との差がさらに開く。

20キロ地点、青学・塩出は素晴らしい走り。対する駒大・赤星は苦しい表情。中大・阿部は顔色もすぐれずスピードを出せずシード外へ順位を落とす。藤原監督はそんな阿部に「十分に頑張れている。無理をせずゆとりを持って走ろう」と声をかける。代わりに帝京、東海がシード内へ浮上。

21キロ地点、4位東洋に5位国学院が迫る。6位法政、7位創価、8位早稲田、9位帝京、10位東海。

平塚中継所もこの順番でタスキ渡し。区間賞は青学・塩出。歴代3位。「走る前から狙っていた。遊行寺の坂はきつかったが走り切れてうれしかった」と話す。

山梨学院・新本は30メートル差でタスキを渡せず無念の繰り上げスタートとなった。

第9区

9区は2区と同様に最長のコースでエース級が配置される。権太坂の上り下りをどうこなすかがポイントとなる。

8キロ、権太坂、4年で初めて箱根を走る青学・倉本は順調な走り。青学にまったく弱点が見当たらない。駒澤・花尾も上りに入る。

11.8キロ、城西・平林、3位を確実にするため軽快に走る。4位東洋・吉田周は城西を懸命に追う。5位国学院・吉田蔵之介は父が紅白にも出た音楽グループ「ケツメイシ」のリーダー・大蔵氏。8位早稲田・菖蒲、9位帝京・小林、10位東海・竹割が並走しシードの確保を狙う。11位の大東大・大谷、12位中央・白川、13位国士舘・川勝が追う。

14.7キロ、横浜駅付近、倉本は走れなかった主将の志貴より給水を受ける。花尾も同じ4年の宮川から給水。10位東海と11位大東大・大谷との差は8秒。

18キロ、4位の東洋・吉田は苦しそう。原監督は倉本に最期の檄「4年間の思いをぶつけろ」。 倉本は腕を上げて応える。

鶴見中継所、青学・倉本が区間賞で最期のタスキ渡し。上位の順位は変わらず。シード争いで10位東海、11位大東大、12位は国士舘、13位中央大。東海大と中央大との差は1分9秒。

区間賞は青学の倉本。「自分のペースで走ろうと思っていたが速く入りすぎでつらかった。3大駅伝で一度も走れず本当に4年間きつかったが最期に報われてうれしい」と4年間を振り返った。

山梨学院、順大、駿河台、中央学院が無念の繰り上げスタートとなった。

第10区

いよいよ最終区。選手が大手町に入ると多くの観衆が待ち受け大声援を浴びながら走る最終区間。過去には大逆転もあった。

トップを走る青山学院はここまで終始崩れず。十分な練習量に裏付けられた安定感を見せつける。2位の駒大をまったく寄せ付けず差は開くばかりで総合成績でも記録を上回る可能性が大。

アンカー宇田川は2年で初めての箱根だが順調にゴールを目指す。逆に駒大・庭瀬は詰められず差はさらに開く。

3位の城西・中田は4年で初めての箱根。大学最高位を目指して走る。4位の東洋は初出場のアンカー岸本が力強い走り。前回大会10位でシードも危ないと危惧されたが伝統校の底力を見せる。

6キロ、11位大東大は10位東海と1秒差。東海は復活の烽火を上げるためシード確保のため逃げる。

12キロ、国学院・高山と法政・宗像が並走して5位を争う。

13キロ付近、大東大・佐々木のタイムが上となり、東海大・ロホマンをかわし10位に浮上しシード権内に入る。

14.8キロ、宇田川は区間記録よりはやや遅れてはいるが快調な走り。総合タイムは更新する可能性が大きくなっている。1、2、3、4位は変化なし。順当にゴールに向かう。

18キロ、シード権は大東大が東海を離し確保か。

13時23分12秒、トップの青山・宇田川が大手町のテープを切り2年ぶり7度目の総合優勝を手にした。総合タイムは10時間41分25秒で大会新記録。3区で首位に立って以来、譲ることなくレースを主導する盤石の走りだった。しかも自己が持つ記録を2分以上短縮した。

一方、大会前には実力NO1といわれた駒大は箱根連覇と大学駅伝2年連続3冠を逃した。3位は大学として最高順位を確保した城西大。アンカー中田は「4年間一度も走ったことがなくスタート前から震えていました」と笑う。4位は優勝常連校の東洋大が気を吐き、岸本が区間賞を勝ち取った。岸本は「区間賞はうれしいが3位に浮上できなかったのは自分の力不足」と悔しがった。

5位は国学院。昨年12月にメンバー10人がインフルに感染したがなんとか間に合わせ5位を確保した。7位の早稲田も前回6区3位の北村、エースの伊藤が直前にインフルに発症したがほかの全員でカバーした。

シード権争いでは、帝京が9区の小林が区間3位で力走し9位に入り2年ぶりにシード権を獲得した。最後の最後で10位に浮上した大東大が9年ぶりでシード権に復活した。

一方、11位東海、12位国士舘、13位中大はシード権を失った。東海、国士舘は同タイムとなったが規定により区間上位者の多さで競い東海大が上位の11位、国士舘が12位となった。東海大は3年ぶりのシード復活とならず、国士舘は34年ぶりのシード権にわずかに届かなかった。中大は学生屈指の実力者、吉居兄弟を擁し優勝候補の一角とされたが3年ぶりにシード権から陥落した。

復路の10位まで順位の次の通り。(括弧は前年順位)

 ①青山学院大学(9位)

 ②駒澤大学(1位)       

 ③東洋大学(6位)

 ④法政大学(3位)       

 ⑤国学院大学(8位)     

 ⑥帝京大学(15位)   

 ⑦創価大学(4位)     

 ⑧明治大学(13位)   

 ⑨東海大学(18位)       

 ⑩早稲田大学(7位)      

                

コメント