箱根駅伝・2020年大会の結果は?(2)東海大・東洋大のレースは?

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2020大会 主要大学の戦略やレース展開は?

連覇を逃した東海大学、敗因は?活躍した選手は?

 

2020年大会は東海大学の連覇が大方の予想でした。

黄金世代と呼ばれる他校を凌駕する人材を抱え、秋の全日本大学駅伝も勝利した実績もありました。

しかし結果は、青山学院大3分2秒差をつけられ2位で連覇を逃しました。

往路4位でしたが、復路では必死に青学を追い上げ、20秒の差をつけ復路優勝となり、前回王者のプライドを見せてくれました。

総合でも、タイムは大会記録を青学とともに更新する立派なタイムということができます。

しかし2位と、連覇はできませんでした。

両角監督は「大きなミスはなかった」、しかし「爆発力に欠けていた」、箱根で勝つには「普通の駅伝をしていては勝てないレベルになった」、青学を倒し優勝を続けるには飛び抜けた人材が必要だと総括しました。

確かに東海大学の今回のレースの区間順位をみると、区間賞が6区、8区の2区間、2位が1区間、3位が2区間で、一番悪くても1区間で8位であり、各選手とも安定的な走りができたといえます。

それでも勝てなかったのは、4年のエースの一角の坂口選手や關選手の欠場も理由の一つにあげられますが、青学がさらにハイレベルな走りをしたということなのでしょう。

また青学が王者を奪還するため、原監督を先頭に必死のチャレンジ精神で向かってきたのに対して、レースのハイスピード化への対応などや有力選手の欠場を含め、油断があったともいえます。

そういうなかで、唯一「爆発した走り」を見せたのは、6区を走った主将の館澤選手でした。

館澤選手は、右足のハムストリング(ももの裏の筋肉)の断裂に近い負傷が8月に発覚します。

夏合宿やアメリカ合宿も参加できずに、1ヶ月以上走らず、主将としての責任を果たせないことに悩みながらひとり、リハビリを続けていました。

出雲、全日本も欠場し、箱根のみにすべてを賭けて、背水の陣で臨みました。

館澤選手は「序盤から飛ばして足がぶっ壊れてもいいかなというつもりでスタートしました。」といっています。最初のポイント、芦之湯地点では45秒も青学との差を詰めました。

しかし下りに入ると立ち止まりそうになるぐらいの疲労や、大きな足の裏の血豆の激痛にも襲われたといいます。

7区松崎選手にタスキを渡すとそのまま倒れ込み起き上がれませんでした。

結果は、これまでの区間記録を40秒更新するという驚異的な区間新記録となりました。

「最後に主将として意地を見せられて良かった」と満足のコメントをしています。

東洋大学、予想外の惨敗、原因は?相澤選手は?

東洋大学は、2009年大会で「山の神」柏原選手を擁して初優勝して以来、優勝4回、優勝を逃した大会では2位、3位のみという強豪校です。

その東洋大学が2020年大会では10位に沈みました。

箱根ファンの多くが驚愕したのではないでしょうか。

区間ごとに見てみると、区間トップが2と5区。2位は6区、一方、2桁順位区間は、1区14位、3区13位、4区20位10区19位で上位選手と下位選手の力の差があらわになりました。

酒井監督「下位の選手層の底上げができていなかった」「選手層にぽっかり穴があいてしまった」と敗戦の弁を述べています。

今回のレースは1区から試練が始まりました。

2年連続区間賞の西山選手がまさかの14位で、エースの相澤選手にタスキを渡しました。

西山選手は1年前に骨折し、夏場の走り込みが十分でなく、今年のハイペースなレースについていけなかったようです。

学生ランナーNO1の呼び声が高い2区の相澤選手は、主将として期待を超える驚異的な走りで7位に浮上します。

しかし、3区、4区も13位、20位の走りで,順位を再度14位まで下げます。

5区宮下選手は、箱根デビューがこの山上りでしたが、柏原選手に憧れて東洋大に入っただけに意気に感じる走りで、区間新という金字塔を打ち立て11位まで位置を戻しました。

復路6区の今西選手も副将として必死の頑張りで区間新の2位と結果を出し、7位まで順位をあげました。

そのあと7、8、9区まで7位でタスキをつなぎますが10区が振るわず10位まで落とすことになりました。

東洋大学は、なんとかシード権は維持したものの不本意なポジションで今年の箱根を終えることになりました。

チームの不振の中で、気を吐いたのがエース区間の2区を激走した相澤選手です。

2009年の山梨学院大学 メクボ・モグス選手の記録を7秒上回り、1時間6分台を初めて突破した驚異の記録です。

相澤選手は、大会最優秀賞である金栗四三杯を受賞して「金栗四三さんがおっしゃっていた箱根から世界へという思いが増してきました。世界で通用する選手になりたい」と述べています。

「世界に通用するスケールの大きな選手になるでしょう」と瀬古氏が賞賛するように、周囲の期待は高まっています。

5区山上りを走った、宮下選手はかつての「山の神」柏原選手に憧れ東洋大学に入り、今回、2年生で箱根デビューは奇しくも望み通りの山上りとなりました。

尊敬する柏原選手ばりの爆走で、今回ともに走った國學院大學浦野選手の2019年の大会記録を29秒も更新する区間新記録を打ち立てました。

宮下選手は、今後東洋大学再建の中心選手になるに違いありません。

→→<箱根駅伝・2020年大会の結果は?(3)創価大・国学院大の活躍理由は?>

へつづきます。

<箱根駅伝・2020大会の結果は?(1)青学逆転勝利の原因は?>

 


 

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