新入社員への言葉–私の中小企業経営(Ⅲ)

ビジネスと中小企業経営

新入社員の皆さん、入社おめでとうございます。そして入社ありがとう。

毎年のことですが、4月1日の入社式で皆さんを見ると本当に新鮮で清清しい思いがします。

ご父兄、保護者の方も皆さんがこうして就職するまでに育って感慨無量だろうなと自分のことのように思います

さて皆さんは、本日晴れて社会人となったわけです。

 

 

 

 

 

年齢は18歳で、まだ未成年ですが、これから自分で自分の人生を切り開いていかねばなりません。

まさに、その第一歩を踏み出したということになります。

皆さんは、高校生活からいきなり会社にはいり、まだ右も左もわからない状態と思います。大変緊張もしていると思います。

しかしだんだんとその緊張も解けてきます。

こういう場でも眠くなったり、あるいは仕事では物忘れをしたりしてきます。

しかし社会人の一員となったのですから、気を引き締めて今日からの研修をしっかり受けてください。

さて、私は3つのことを皆さんにお願いしたいと思います。

1番目は、社会人・企業人として自覚をもつことです。

今月25日になるとはじめての給与が皆さんの銀行口座に振り込まれます。

このお金は、おそらく自分が始めて働いた労働の対価で、これから毎月振り込まれます。

 

 

 

 

 

これを受け取って、改めて自分も社会人、企業人になったなと思うでしょう。

しかし、同時に社会人、企業人としての責任が発生しますので、その自覚を持ってほしいと思います。

社会人としての自覚とは、社会人としての責任を自覚することです。

責任とはなにかというと社会のルールを守ることです。

法律はもちろんのこと、法律に反しなくても、人に迷惑をかけたり、不快な思いをさせない、これも社会のルールです。そういうことに対する感性を持ってほしいと思います。

企業人としての自覚とは、皆さんに今与えられている使命を自覚することです。

皆さんの使命は、今は会社の仕組みや決まり、仕事のやり方を一生懸命勉強し、基礎的な力を蓄えることです。

5月病といって緊張が解けた時期になると、これは新しく学校に入る場合も一緒ですが、なんだか朝早くおきて会社へ行くのがいやになったり、体がだるい気がしたり、なんで仕事をしなくてはならないんだとか悩みだしたりすることがよくあります。

その時、今日は行くのはやめたと布団の中にもどるのと、がんばって行こうと起き上がるのは、わずかな差ですが、その決断の違いがあなた方の人生に与える影響は相当大きいものになります。

一度ずる休みを覚えたらこれを克服するのは大変です。

体調が本当に悪いといったことがない限り、がんばって、会社に出勤する習慣を今のうちに付けておくことが必要です。

もちろん本当に病気の時は無理をする必要はありません。しかし仮病や無断欠勤はだめです。

だんだんと責任が重くなると病気を押してでも仕事が気になり出勤しようという気になりますが、そのために自分で健康管理をしなければなりません。

私も20年ぐらい前、営業をやっているとき、足の親指を骨折してしまい靴が履けないし、かかとをつぶして痛みもとまらない状態でびっこを引きながら、痛み止めの薬をのみながら何日も客先回りをしたことがあります。

担当が自分1人だったため、お客さんとの約束を守るために、休めなかったのですが、これはまさに自分が悪いのです。営業は歩けないと話しにならないのに不注意で骨折したのですから。

つまり仕事を任されるようになったら私生活でも節制しないといけません。

大事な仕事の前に自分だけ調子悪いから休むと残った人がカバーすることになります。こういうことも今から習慣付けてください。

二日酔いで次の日会社を休むなどとんでもないことです。そういう人も中にはいますが、これをやり始めたら、今後の会社生活は成り立ちません。

2番目は自ら進んで学ぼうという習慣をつけることです。

職場に入ると先輩たちは忙しく実際の仕事をしているので、皆さんに手取り足とりは教えてくれません。

黙っているとわかっているものととられます。わからないことがあれば、これがわからないので教えてくださいと言わないと教えてくれません。

これが学校と違うところです。すなわち自分で学び、技能や知識を獲得していこうという気持ちがないと進歩していかないということです。自分だけ取り残されます。

(ここで元近鉄、鈴木啓示投手の話)
鈴木投手が高校を出たばかりの新人の時、衆人の前で、勇気をふるって、大投手だった金田投手に「カーブの投げ方を教えてください」と訴えたところ、親ほども年が違う金田投手から「馬鹿野郎、競争相手に教えられるか、教えてほしければ金もってこい」と一喝され、屈辱で逃げ帰り、一人必死で練習、カーブを習得したという逸話。

また会社の中だけでなく、自分自身で勉強することが必要です。自己啓発といいます。

少なくとも毎朝、新聞を読むことです。

本を読んでほしいと思います。仕事に関連した本、技術の本、あるいは経済の本、小説でもいいです。

テレビやゲームだけで休日を過ごしてはだめです。

自分を高める努力をすることが必要です。こういう地道な努力をするのとしないのでは仕事の上でも、充実した人生を送る上でも大きな違いが出ます。

月に1冊ぐらい本を読む努力をしてください。給料の数%を自分の能力向上に投資してください。

そして何か1つでも人に負けないもの、誇れるもの、得意科目を作ることです。

それは仕事だけでなく皆さんの人生を豊かにしてくれるはずです。

最後の一つとして言っておきたいことは、安全と心の健康のことです。

この工場は危険な機械、重量物、高所作業など危険作業、引火性液体等いろいろ危険なものがあります。通路は線路があり、フォークリフト、トラックが走っています。過去にも死亡災害や怪我が多数発生しています。

万が一、皆さんが重大災害にあったりしたら、先ほども言ったように皆さんをここまで育て上げたご父兄、保護者にお詫びしようもないということになります。

また会社としても大損害を受けます。

 

 

 

 

 

したがって注意事項は必ず守ること。

万一、皆さんが注意事項を守らなかったり、危険行動を取れば、周りの人は烈火のごとく皆さんをしかります。

これは今後長い人生を無事に生きていけるようにというよう親心と受け取り素直に反省するようにしてください。

それからもうひとつ重要なことですが、これからいろいろ思い悩むことも出てきます。

仕事のむずかしさ、ミスをしたこと、先輩、上司、同僚など人間関係、あるいは個人的なことなどですが。そういう場合、一人で抱え込まないこと、誰か相談相手を見つけること。

指導員でも同期の仲間でも結構です。人に話したら意外と気持ちが軽くなり解決方法も見つかることもあります。

皆さん、この一年は皆さんの会社人生の基礎を築く期間ですので、大変でしょうが、真剣に勉強し、また、適宜、リラックスもしながら、会社生活をエンジョイしてください。幸運を祈っています。



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