生物の大量絶滅はなぜ起こったの?人類絶滅は本当に起こる?

地球と宇宙

地球が創生したのが、今から46億年前ですが、その後38億年前には、生命が誕生しました。

 

 

 

 

 

 

 

地球で初めての生物は、単細胞生物でした。単細胞生物とは、その名の通り一つの細胞でできており、現代で言えばミドリムシのような生物です。

今から5億4500万年前から始まる「顕生代(けんせいだい)」になると、さまざまな生物が一斉に登場しました。

しかし、この期間には、生物の多くが一斉に絶滅するという「大量絶滅」が5回起こっており、その大量全滅事件を「ビックファイブ」とも呼びます。

いったいなぜ「大量絶滅」が起こったのでしょうか?

そして、いま、第6回目の大量絶滅が起こることが懸念されていますが、人類の行く末は大丈夫なのでしょうか?

大量絶滅の歴史・いつ・原因は?

顕生代の大量絶滅事件を時系列で見ていきましよう。

なお、顕生代は古生代・中生代・新生代に区分されますが、さらにその時代の特徴的地層の地域名や地層の特徴などから、「紀」という小区分が作られています。

① 最初の大量全滅は4億4300万年前「オルドビス紀」(古生代前期)の終わりの頃に起こりました。

ほとんどの生物が海に住んでいた時代ですが、三葉虫やサンゴ類など約86%の海洋生物が地球上から姿を消しました。

史上2番目に大きい大量絶滅です。

原因は火山の噴火による寒冷化、超新星爆発による宇宙からの放射線の影響などといわれています。

また近年には、海水の重金属濃度が極端に高まった事が、海の生物が絶滅した原因という新説が出されています。

3億7000万年前の「デボン紀」後期(古生代中期)には全生物の82%以上が絶滅しましたが、この大量絶滅については、はっきりとした原因がつかめていません。

「デボン紀」は魚類が大繁栄した時代で、両生類やサメが登場したのもデボン期です。

 

 

 

 

 

海水に住む生物の絶滅率が淡水系の生物より大幅に高いと言うことがわかっていて、海の中で大きな異変があったと推定されていますが、詳しくはわかっていません。

2億5000万年前の「ペルム紀」(古生代末)の終わりに、史上最大の絶滅が起き、生物の96%が消えました。

地球のマントル層で「プルーム」という高温物質が上昇し、大規模な火山活動が起こりました。。

大量の火山ガスと粉塵は、全地球的に分厚い雲を作り、寒冷期に移行しました。

植物は光合成ができず、酸素が失われ、特に海中では「スーパーアノキシア」と呼ばれる超酸素欠乏状態が起こります。

これにより海洋の95%以上、陸上生物の70%が絶滅しました。

この時代、地球上の大陸は一つに合体し、超大陸「パンゲア」を形成し、海も「パンサラッサ」という一つの海でしたが、この超大陸「パンゲア」の分裂が始まり、火山の異常活動を引き起こしたという説が有力になっています。

この大量絶滅事件前後の時代名、「ぺルム紀」、「三畳紀」の頭文字から「P/T境界絶滅事件」と呼ばれています。

2億100万年前の「三畳紀」(中生代最初)の終わりにも、全生物の80%が姿を消した大量絶滅が起こりました。

三畳紀は、は虫類、アンモナイト、二枚貝などが急速に繁栄し、恐竜も登場しました。

この大量絶滅を契機に、恐竜が勢力を拡大します。

この大量絶滅の原因は、大規模な火山の噴火と隕石の衝突が考えられていて、カナダのケベック州にある、直径100kmの「マニコーガンクレーター」がその隕石の跡です。

これにより、単弓類(こめかみの左右に穴を1つ持つ四足動物)は一部を残して全滅、大型の両生類も全滅し、海洋生物の20%、陸上生物の60%以上が姿を消したといわれます。

最も有名な大量絶滅は6500万年前の白亜紀(中生代最期)の終わりに、突然発生しました。

中世代の最期の時代で、恐竜やアンモナイトが繁栄していた時代です。

 

 

 

 

 

直径10kmほどの小惑星が、メキシコのユカタン半島に衝突しました。

衝突速度は秒速20kmで衝突エネルギーは広島型原爆の10億倍でした。

直径170kmに及ぶ巨大なクレーターができ、膨大な粉塵が舞い上がり、数年にわたり太陽光を遮り、地球の気温は10度も下がったといわれます。

太陽光が届かないため光合成ができず、植物は大幅に減少し、その結果、食物連鎖で、草食動物やその動物を食べる肉食動物が消えていきました。

近年の研究では、ユカタン半島に多い硫黄を含む岩石が空中で蒸発、硫酸雨が全世界的に降ったことや、これによる海洋の酸性化も大きな影響を与えたことがわかっています。

そして、これまで1億5000万年、地球に君臨し、空前の繁栄を誇っていた恐竜はすべて滅び、アンモナイトを含む76%の生物が死に絶えました。

この大量絶滅事件を、白亜紀を意味するドイツ語の「Kride」、次の時代の古第三紀の英語名「Paleogene」にもとづき「K/P境界絶滅事件」といいます。

これから、第6番目の大量絶滅はあるの?

ここまで見てきましたように、この5億年間で、地球上の生物は「ビックファイブ」と呼ばれる、5度の大量絶滅を経験しました。

気候変動、火山の噴火、6500万年前にメキシコに落下し恐竜をはじめとする多くの生物を絶滅させた小惑星などが原因でした。

そして、今、6度目の大量絶滅が進行中で、しかもそのスピードは従来の予想よりずっと早いとする研究が発表されています。

研究によると、2001年から14年にかけて、世界では約173種の生物が絶滅しましたが、これは通常考えられる自然の絶滅速度の25倍のペースだそうです。

過去100年間で400種類を超える脊椎(せきつい)動物が絶滅していますが、通常、これだけの数の絶滅が起こるには最長で1万年かかるそうです。

また、アフリカのゾウは20世紀初頭には100万頭生息していたのが、現在40万頭に減少しています。

特に、この10年間は減少のペースが速く、このままだと20年後にはアフリカから野生のゾウが消えてしまう可能性があるといいます。

このように、現代の絶滅は、自然に起こる絶滅の数100倍の速さで進んでいて、このペースのまま,絶滅が続けば、今後、数100年で動物の4分の3が絶滅するといわれ、まさに大量絶滅のレベルに達することになると懸念されています。

そして、原因はすべて人類の活動にあります。

人間による化石燃料の消費は、毎年数10億トンの二酸化炭素やその他のガスを地球の大気に送り込んでいて、過去の巨大噴火と同じような影響を及ぼしているといいます。

 

 

 

 

 

また、人間による森林破壊、狩猟、乱獲により、侵略的外来種や病気の持ち込みも、生物の絶滅を引き起こしています。

すでに人類は数百種の生物を地球上から消し去り、さらに多くの種を絶滅の瀬戸際へと追いつめています。

人類が大量絶滅から逃れる道はあるの?

絶滅の対象から、当然、人類も逃れることはできないと言われています。

しかし、現在、世界人口は77億人で、2050年には97億人に拡大するという人類は、これまでのような大量の資源を消費していくなら、大量絶滅は避けられないでしょう。

では、どうしたら大規模絶滅をストップさせることができるのでしょうか?

希望はあります。

気候変動をこれ以上悪化させないよう、代替エネルギーの活用や省エネにより、化石燃料の放出を抑えることはできるはずだし、人間のために動物たちが住む場所から追われることのない自然の領域を維持し、生物の多様性を保つこともできます。

今回の大量絶滅は、今後、隕石のような地球外部からの攻撃がないかぎり、時間をかけて進んでいくと思われます。

幸いなことに、人類には時間はまだ残されており、私たちは、大量絶滅を防ぐために、英知を結集しなけれなりません。



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コメント

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